はじめに
こんにちは、千株式会社でエンジニアリングマネージャー(以下、EM)をしています、daitasu です。
本記事では、昨年末から弊社の開発組織で動き出している、開発組織の様々な組織課題の解決を加速するための マネージャー 委員会の発足とその活動についてお話します。
マネージャー 委員会が生まれるまで
開発組織の拡大と変化
私達の開発組織は、「ものづくり部」という名前で、デザイナーやエンジニア、プロダクトマネージャー(以下、PdM)など、プロダクト開発にまつわる様々な職種の方が全員同じ組織内に属しています。
こうした組織体制を、昨年までは VPoE が中心となって開発サイドからの事業開発、採用、開発組織の改革を牽引してきました。
今までは、開発組織全体の牽引を主に VPoE 一人で進めてきていたのですが、昨年2月に CTO の竹澤さんが JOIN し、開発組織をリードするボーディングメンバーが CTO / VPoE の2名体制になりました。
また、この一年で、採用活動によりギアがかかっていき、
- プロダクトマネージャーの増加
- 開発リードやエンジニアリングマネージャーの増加
- CTO 室の設立
など、開発組織のプロダクト課題や組織課題に向き合っていける、非常に多くの方々が入社しました。
今まで CTO や VPoE、特定の EM が複数のグループやチームを担当している数が多かったのですが、この一年で人が揃ってきて、ほとんどのチームが1 チームに PdM 1名、EM 1名といった構造になりました。
組織課題の洗い出しと VPoE からの実行責任の分散
このように、組織を引っ張っていくマネジメントレイヤの人々が増えてきた中で、EM・PdM 全体の会議の場で、様々な組織課題が改めてマネージャー陣から問題提起されることが増えてきました。
今まで問題として認知はしていたものの、VPoE 一人に責務が集中していて手が全く足りない状態だった様々な現場の課題に対し、議論していける人的リソース、実際に手を動かして実行責任を担っていける人々が増えてきたということでもあります。
昨年11月、こうした背景から、EM・PdM 全体で現状での組織課題についてのブレストを行いました。
この中で、下記の観点でテーマを絞っていきました。
- 経営層から分散し、マネジメントレイヤで受け持つことが出来うる領域
- 特に事業優先度、組織優先度の高い課題領域
最終的に、下記の 4テーマに注力することが決まり、EM・PdM 陣それぞれで担当するテーマを決め、各委員会の定例と目標決めなどを進めていくことになりました。
- 目標設定・評価査定・エンゲージメント
- 組織の目標設定フローやグレードサイズ表の見直し、評価査定に向けたマネージャー研修等の領域を担う
- 社内エンゲージメントの強化、Employee Experience(EX 改善)、退職率の改善など、エンゲージメント領域を担う
- 採用・広報
- 採用目標に対する短期課題、中長期の課題の整理、フロー改善など、採用全般の課題領域を担う
- コーポレートチームとの広報連携を進め、開発組織としての外部発信や認知度向上を担う
- オンボーディング
- 中途採用・新卒採用におけるオンボーディングの改善、制度づくりの領域を担う
- ツール・ドキュメント管理
- 社内のドキュメント管理 SaaS やツールが多数あり、SaaS 管理全般の見直しと是正の領域を担う
マネージャー 委員会の具体的な進め方
マネージャー 委員会は、各テーマごとに半期の目標を定めて活動しています。
活動自体は、定例と専用の Slack チャンネルをそれぞれ設けて、そこで得た進捗・結果を週次のマネージャー MTG の中で共有・相談するといった形で進めています。
こうすることで、実行責任は EM・PdM 陣で持ちつつも、VPoE、CTO、取締役(今年 JOIN されたプロダクトサイドを見て頂いている経営層)の3名と認識を揃えて、フィードバックループを回すという方針を取り、組織課題の解決を加速させました。
半期で達成した主な成果
昨年11月に立ち上げたばかりではありますが、EM・PdM が責務を担い、約半年弱で色々な成果が出始めています。
目標設定・評価査定・エンゲージメント
- 開発組織全体での OKR の導入、個人目標設定への接続
- グレードサイズ表の刷新
- 目標関連のロールプレイなど、マネージャー間の相互ナレッジ共有の場の設置
- 社内エンゲージメント課題の精査と人事部と連動した改善
採用・広報
- 採用課題の定義と採用フローの改善
- 採用求人票のフルリニューアル
- 今まで連携が薄かった全社の広報チームとの連携強化
- 社内外のイベント登壇・露出向上に向けた施策作り
オンボーディング
- オンボーディングフローの可視化と整備
- メンター制度の設立とメンターガイドラインの作成
- オンボーディングクエストの作成
- オンボーディングの PDCA サイクルの導入
ツール・ドキュメント管理
- 社内で多数の SaaS に散らばっているドキュメント系の課題精査と toBe 像の整理
- シャドウ IT の調査と是正
- 情シス中心での社内ツールの適切な全社の権限管理
こうした急ピッチな組織課題の改善は、
- EM・PdM 間で相互に議論して組織課題の問題提起・改善をするための仕組み
- それぞれの当事者意識とオーナーシップ
- 経営陣の迅速なフィードバックループ
によって上手くまわりだした結果によるものだと考えています。
今後の展望
組織課題を解決していくための人材と土壌が出来てきたとはいえ、まだまだ、それが実際のプロダクト価値提供に繋がっていくためには、もっとプロダクト開発を加速させ、開発組織としてもスケールをしていかなくてはなりません。
今後は、
- 次の半期に向けた目標や新たな取り組み
- マネージャー 委員会活動の継続的な改善
- 新たな組織課題への改善着手
などを EM・PdM 全体で押し進めていこうと思います。
まとめ
弊社はいま、組織としても、事業としてもまた新しいフェーズを迎えていこうとしています。
千のバリュー(行動指針)には、下記の3つが掲げられています。
- Create More Smiles
- 多くの笑顔をつくる選択を
- Be an Owner
- 当事者であれ
- Aim for Greatness
- 大胆に挑め
今回の マネージャー 委員会の取り組みは、こうしたバリューを体現した取り組みです!
千株式会社では、こうしたバリューに共感頂ける方、ともに保育業界を中心とした事業や開発組織の進化を牽引頂ける方を募集しています。
実際にそれぞれの マネージャー 委員会で行ってきた具体的な取り組みや成果については、また別の記事でご紹介していこうと思います!