はじめに
こんにちは!ものづくり部でQAエンジニアをしている@two_packです。
今回は、2025/05/10~11に新潟で行われた「Scrum Fest Niigata 2025」に参加してきたので、そのレポートをお届けします。
Scrum Fest Niigata 2025とは
スクラムフェス新潟はアジャイルコミュニティの祭典です。 アジャイルやテストのエキスパートと繋がりを持ちましょう。この祭典は初心者からエキスパートまで様々な参加者が集い、学び、楽しむことができます。 また新潟の地場エンジニアコミュニティと、全国のエンジニアコミュニティを繋ぎ、活性化する「場」でもあります。 参加者同士でアジャイルやテストのプラクティスについての知識や情熱を共有し合いましょう。出会ったエキスパートに困りごとを相談し、明日への活力にしましょう。
特に以下のようなテーマに興味を持ちます。 テストエンジニアリング、テストオートメーション、モダンテストマネジメント、アジャイルトランスフォーメーション、メンタルヘルス、アジャイルリーダーシップ、生成AI、コミュニケーションと関係性
引用元: スクラムフェス新潟のサイト
品質、テストに関連したテーマが多く、さらに私の地元新潟での開催ということで、参加せねばと行ってきました! たくさんのセッションに参加させてもらいましたが、特に印象に残ったセッションについて書きたいと思います。
印象に残ったセッション
クロスファンクショナルチームになるための壁崩しのお作法
チームの中に壁を感じており、その壁を崩したいと思っている人へ向けた、壁崩しに有効なお作法についてのセッションでした。
精神的、心理的な隔たりがあるというメタファーとして「壁」という言葉を捉えて、職能間の壁が何をもたらすかから始まりました。
壁がないとよさそう、と漠然と思っているところへ、「壁がある」の恩恵、「壁がない」の恩恵の対比が出てきて、価値を届けるには「壁がない」ほうの恩恵が欲しいよね、というのはなるほどなあと感じました。
具体的な事例として、エンジニアとQAの壁が取り上げられて、壁崩しのお作法として以下の3つが挙げられていました。
- 目標を共同所有する
- チームの目標を職能の目標に落とし込みがちですが、チームの目標に集中するというのは、なるほどと感じました。
- 互いに仕事を公開する
- デフォルトを「公開」にせよは、自分自身がclosed mind気質だなあと改めて気づくことにも繋がりました。
- 共有知識のベン図や、職能ごとでの見えているかもしれない世界の図は、首がもげそうなほどそうだなと思いました。
- 認知の歪みの解消に自分から動き出さないと!と、このブログも書いています😊
- 協働で一つずつ実験する
- いろいろやってみたほうがよさそうなことが一杯という状況もあるあるだと思うので、結果の要因が分かるように一つずつというのは、大事なポイントだと感じました。
弊社は複数のサービスを提供しており、それぞれチームも分かれています。対してQAチームは横断的な位置づけになるので、「壁を崩す」マインドは活かしていきたい学びになりました。
自組織にあったテストピラミッドを設計しよう!
テストピラミッドを自組織で「設計」した事例についてのセッションでした。
テストピラミッドを「知っている」だけで「使えていない」現状があり、一般的なものでは自組織の中で粒度や責任範囲が曖昧だったり、どのツールを使うかが不明確だったりするため、自組織に合わせた「設計」が必要になる、ということでした。
テストピラミッドの図と合わせて、各レイヤーで「保証すること」「確認すること」「使うツール」を定義している点も、共通認識の醸成に重要なところだと感じました。
どのレイヤーでテストするのかを考える際にも、テストピラミッドに対してテストをマッピングしてみることで整理しやすいという「使い方」も、納得感のある結果につながりそうだと思いました。
弊社は複数チームで各サービスの開発を行っており、それぞれのチームの文脈に合わせたテストレベルの定義を明らかにしていく必要があるのではと考えていたので、実際に行われた流れの紹介も含めて学びの深い内容でした。
品質の原理・原則と研究事例 ー 品質やQA活動をいつもと違う視点で考える
Day2のキーノートは、名古屋大の森崎先生の講演でした。
「品質」の難しさについて、いろいろな角度から説明されていました。論文などを引きながらの話は、先人の積み重ねを感じる内容でした。
日本的品質管理の代表例としてTQM(Total Quality Management)が挙げられており、その威力として経営層を含め各階層で共通言語になっている点が述べられていました。
品質と価値を考えていく中で、自分たちのソフトウェアをより深く理解していくことが重要とのことでした。アジャイル/スクラムと相性がよく、QAエンジニアとも相性がよさそうという話もあり、その強みとなる部分を意識して臨むのが大事だと感じました。
内容は重厚でしたが、終始やわらかい雰囲気の中で講演が進んでいき、聴いていて楽しい講演でした。
最後に
各セッションも最高でしたが、クラフトビール!寿司!コーヒー!のっぺ!と、おいしいものが一杯でしたし、非常に雰囲気のよいイベントでした。
運営、講演者、参加者の皆様に感謝です!ありがとうございました!