
はじめに
こんにちは!システム開発部 横断開発課でQAエンジニアをしている@two_packです。 今回は、2025年9月12日に新潟で開催された「JaSST'25 Niigata」に参加しましたので、そのレポートをお届けします。
JaSST Niigataとは
JaSST(ジャスト)は、NPO法人ASTER(ソフトウェアテスト技術振興協会)が運営する、ソフトウェア業界全体のテスト技術力の向上と普及を目的としたソフトウェアテストシンポジウムです。全国各地で開催されており、今回私が参加したJaSST Niigataは、その新潟版です。 今年は、「デジタル時代におけるUXの考え方」というテーマで開催されました。
※直近では、10月に福岡でJaSST Kyushuが開催されます。お近くの方は参加されてみてはいかがでしょうか?
基調講演:デザインから考えるアプリにおける品質とは?
基調講演は、フラー株式会社 取締役CDO 櫻井裕基さんの「デザインから考えるアプリにおける品質とは?」でした。 アプリとウェブの違いについて詳しく説明された後、デザイン視点でのアプリにおける「品質の6つの要素」として、以下の要素がピラミッド型(上が高次)で紹介されました。
- 持続性
- 情緒性
- ユーザビリティ
- 信頼性
- 利用状況性
- 認知性
QAの文脈でもユーザビリティや信頼性はよく議論されますが、今回は他の4つの要素について深掘りして説明いただきました。特に「利用状況性」「認知性」については、QAチームが関わる段階ではすでに検討済みとして扱われることが多いため、もっと視野を広げていかねばならないと痛感しました。
「情緒性」に関しては、「また使いたい」と思わせる情緒的体験が品質の一部になるという具体例として、言語学習アプリのDuolingoが挙げられました。私もこのアプリのユーザーで、毎日キャラクターに励まされている(時には煽られている)のですが(笑)、必ずしも機能として必須ではないものの、毎日の楽しみに繋がる要素が多く組み込まれていることが腑に落ち、非常に興味深く聞き入ってしまいました。
事例発表:自分たちがターゲットになりにくい業務アプリケーションのユーザビリティを担保する取り組み
事例発表の1つ目は、freee株式会社 森川裕美さんによる「自分たちがターゲットになりにくい業務アプリケーションのユーザビリティを担保する取り組み」で、会計事務所のような専門領域のユーザーに向けたUI/UX設計事例でした。
セッションの中で、UI/UX設計の会話で「体験」という言葉が出た際に、
ここでいう「体験」って何を指していますか?
と、何を指しているのか、どのような文脈なのかを丁寧に確認するというお話がありました。これは、私たちQAが「今回は品質が大事」という話が出た際に「ここでいう品質とは具体的に何を指しますか?」と確認するプロセスと似ており、共感する点がありました。
You Are Not the User
という言葉も、私は初めて聞きましたが、非常に印象的でした。 ユーザビリティは「特定の文脈におけるタスクの達成しやすさ」であり、自分がユーザーになりにくいプロダクトだからこそ、業務理解が極めて重要になるとのことでした。
実際のUI設計事例では、ユーザーの業務目標達成を支援するために、設計に不足している情報をどのように収集したかという取り組みが紹介されました。社内有識者へのヒアリング、書籍による知識習得、そしてユーザーの業務観察まで、そのプロセスを詳しくお話しいただきました。 特に、業務観察における「画面外の業務環境」に関するお話は、業務そのものをより深く知る必要性を感じさせられるものでした。
そして、それらがスタートラインであるというお話から、実例マッピング、ユーザビリティテスト、リリース後のリサーチといった実践内容まで惜しみなくご紹介くださり、多くの学びを得ることができました。
事例発表:一次体験を起点にしたUX改善の取り組み
事例発表の2つ目は、株式会社ビットキー Natsuho Ideさんによる「一次体験を起点にしたUX改善の取り組み」でした。 品質の高いプロダクトは「正しく動く」だけでなく「良い体験」も兼ね備えており、良い体験のプロダクトを作るには、ユーザー理解が重要であるというお話から始まりました。
ご自身が実際に製品を使ってみたり、現場で体験することを「一次体験」と呼び、それによってユーザーへの「共感」が生まれるとのことです。 自社プロダクトを毎日体験できる環境を整え、そこから日々気づきを得ているというお話は印象的でした。また、現場での設置作業を実際に体験することで、想定外の業務フローや環境条件など、多くの発見があるとのことでした。特に、QAチームが1か月間スマートロック設置物件に住んでみたというエピソードは圧巻でした。
「そこまでの環境を用意するのは難しい」と感じる参加者もいたかと思いますが、その後の「認知的ウォークスルー」を用いてユーザーになりきって疑似体験するという手法の紹介もあり、これなら自分でもすぐに試せそうだと感じました。
こうした体験を基に、観察やヒアリングを通してさらに視野を広げていくアプローチや、実際のプロダクト改善事例もご紹介いただき、非常に面白い内容でした。
まとめ
QAエンジニアとしてUI/UXは非常に関心の高い分野であり、櫻井さんが示された「品質の6つの要素」や、各社の具体的な取り組み事例は、大きな刺激となりました。今回のインプットを日々の業務に活かしていこうと思います。 運営、講演者、参加者の皆様、ありがとうございました!
おまけ
JaSSTのマスコットキャラクターテス太郎の上杉謙信Ver.(ですよね?)のステッカーをいただきました!

情報交換会では、美味しいケータリングとお酒も振る舞われました!新潟最高!



最後に
私たちと一緒に、幼保業界や写真業界のDXを進めていく仲間を募集中です!
QAエンジニアの募集も行っていますので、ご興味がある方はご覧になってみてください!
📋 採用情報