
はじめに
こんにちは!おはぎ(@ohagi_dev)です!
2026年1月7日~9日にかけて東京はベルサール羽田空港にて開催されたRSGT2026に参加してきました。
私は普段スクラムマスターを自称していますが、明確に社内でその役割があるわけではなく、小さく、そしてボトムアップでスクラムを実践しています。本カンファレンスでもスクラムマスターは独りじゃない!コミュニティが創る「回復と成長の場」というセッションがあったように、私自身も孤立感やスクラムマスターとしての成長に悩む瞬間は多々あり、まさに回復し成長したい思いで参加を決めました。
今回は3日間で私が体験したことの中からいくつかピックアップして様子をお届けします!

RSGT2026とは
Regional Scrum Gathering Tokyo(RSGT)とは、全国からスクラムの実践者が集う場で国内最大級のカンファレンスです。
Regional Scrum Gathering Tokyo 2026 is a 15th annual Regional Gathering held in Tokyo, organized by a non profit organization "Scrum Tokyo". Our purpose is to provide a "Ba" (place) where practitioners share ideas among Scrum practitioners having a great diversity.
Day1
キーノート: An introduction to Beyond Budgeting – Business agility in practice
初日のキーノートは Bjarte Bogsnes(@bbogsnes)さん。
「脱予算経営」というキーワードがスクラムとどのように関係するのかと疑問に思っていましたが聞いて納得。予算を立てるということはかなり早い段階で意思決定をしており、その決定が良い情報に基づいているとは限らない一方で、使い切らないと来期の予算が取れないからとやるべきではないこともやらないといけない。このような前置きを聞いたとき、確かにスクラムが効く課題と共通するように感じました。
私にとって印象的だったのは、悪用する人に対する処置として連帯責任ではなく信頼を裏切った個人に対してのみ行い、良い側面では個人ではなく集団の成果を評価に反映する点。 連帯責任にしてしまった方がルールを決める側にとっては楽なように思う一方で真っ当な方が損をする仕組みでもあると思っています。そこで、予算を目標・予測・リソースの割り当てに分けて考えるといった方法も含めて、透明性をもって検査しやすい形にすることで正当に向き直れる仕組みに繋がると感じました。
セッション: デイリースクラム Deep Dive
ryuzee(@ryuzee)さんのDeep Diveシリーズはこれまでもスライドを拝見して知っており、今回はリアルタイムで参加するぞ!と意気込んでいました。
最初から最後まで頷きの連続で、理解しやすく、それでいて大事なことが詰まったセッションでした。特に「スプリントバックログは静的な計画ではない」「デイリースクラムでしか話していないのは危険信号」は一見当たり前に感じる一方で、毎日行われるイベントだからこそいつの間にかズレてしまっていることもしばしば。ぜひスクラムを実践しているチームメンバーにも届けたい内容だと感じました。
セッション: よくわからないことが多い場合の計画づくりのコツ
個人的にお世話になっている洋(@yohhatu)さんのセッションで、ちょうど私も頭を悩ませていたテーマだったので楽しみにしていました。
最初から完璧な計画を立てようとせず、やってみないとわからないことを素直に受け止め、わかってるフリをしない。プロジェクトを率いる者ならキレイに計画しなければならない!と固定観念に囚われかけていた私にとっては救いでもあり「やっぱりそうだよな〜」と安堵の気持ちでした。
一方で、だからといって計画しないのではなく計画し続ける。計画するとわからないことが見えてくるからこそ、それに向き合ってより価値を高められる。そのようなお話があり、「わからない」で止まらず、飾らず素直に向き合い続ける心を持とうと気を引き締め直す機会になりました。
コーチーズクリニック
コーチーズクリニックとはアジャイルコーチに1on1でなんでも相談できる機会で、予約がすぐに埋まってしまう人気コンテンツ。今回は天野(@ama_ch)さんに私が運営しているコミュニティについて相談させていただきました。
というのも私がコミュニティを立ち上げた時にすぐにXで反応してくださり、具体的に地域コンセプトに合う方のご紹介までしてくださった経緯があり。お礼とその後の状況をお伝えしたく。
コミュニティ運営は初めてで慣れないことも多く、悩みもあったのですが、アドバイスをいただいて心が軽くなり、次の活動に向けて更にモチベーションが湧いてきました。貴重な機会をありがとうございました!
Day2
キーノート: From Frameworks to Substrate: Rewilding Agile to Work at Scale - フレームワークから土壌へ:アジャイルを野生に戻して大規模で機能させる
二日目のキーノートはDave Snowden(@snowded)さん。
再野生化、つまり過去に戻すのではなくバランスを取り直すというのがテーマだったように思いますが、特に腑に落ちたのはレシピ本のユーザーではなくシェフになるという例え話。
仮にレシピにハチミツが必要と書かれていたとして、レシピ本のユーザーとはハチミツをそのまま使うこと(或いは無ければ料理を作れなかったり、ハチミツを得る必要がある)を指しており、シェフとはハチミツがなくても甘さの代替として砂糖を使ったりすることを意味しています。
このお話からフレームワークに囚われたり他所で上手くいった事例を模倣するのではなく、適材適所で考え、状況に応じた判断することの大切さを学びました。
セッション: 自己管理型チームの一員となるためのセルフマネジメント:モチベーション編
いくお(@dora_e_m)さんによるセルフマネジメントのお話で、同時間帯の別のセッションと悩んでいたのですが、リアルタイムでの参加をオススメしていただいたので参加。周りの方と話したり、現地ならではの画角での笑いもあり。前評判通り現地で参加して良かったと思う内容でした。
チームがいい状態だからこそ気持ちが晴れない状況になることがあるのも共感しましたし、セルフマネジメントとして特別なことをするよりも、スコープに自分を入れるというのがわかりやすく自分も意識してみようと思いました。
セッション: AI時代のアジャイルチームを目指して - "スクラム"というコンフォートゾーンからの脱却-
及部(@TAKAKING22)さんによるセッションで、ちょうど自分もまだまだAIに適応できていない課題を感じていたのでヒントを得たいと参加しました。
印象的だったのは意思決定の範囲を広げ質を高めるということ。確かにAIを開発プロセスに組み込んで上手くいっている感じがしないのは、意思決定の範囲が狭まくAI活用そのものというよりその周辺でボトルネックがあるからだと気づきました。
「当たり前を疑う」という言葉も身に染み、今の当たり前を見つめ直して変化の起点を作っていきたいと思いました。
Day3
オープン・スペース・テクノロジー(Open Space Technology)
オープン・スペース・テクノロジー(OST)とは、その場で議題を挙げ、参加者は気になるテーマに集まって話をする形式のワークショップです。
私は今回のRSGTで初めてOSTに参加したのですが、何の準備もないからこそ、その場で生まれる会話に生々しさがあって楽しめました。
また、のりっく(@nolick1219)さんが冒頭で仰っていた「え?」という感覚を大切にすることはとても大事だと感じました。というのも、初対面でいろんな経歴の方がいる中で、なかなか一歩踏み込むことはハードルが高いと感じており、この前置きのお陰で気後れせず会話に参加できたと感じています。
キーノート: AI駆動開発の時代〜小さなチームで世界を変えよう〜
最終日のキーノートは漆原(@urucrunch)さん。
印象的だったのは、仕様をしっかり整えた上でエージェントに作業させているということ。Vibe Codingでちょっとしたものを作るような話ではなく、本気で開発の仕方を変えようとされている熱量を感じました。パネルディスカッションをするのも斬新に感じていて、川口(@kawaguti)さんも仰っていましたが、初日と二日目のキーノートは前衛的な一方で、このキーノートはまさに今から何をしていこうかと心に火をつけられるような感覚がありました。
終わりに
私としては初日のコーチーズクリニックに加えて、コミュニティに関するセッションに参加したり、地域コミュニティの運営をされている方々とお話させていただいたり。今回は特にコミュニティについて学び考える時間が濃密だったと感じています。驚いたのが、私のコミュニティを知ってくださっている方もいらっしゃって、声をかけてくださったり、話すと「知ってる!」と反応してくださるのがとても嬉しかったです。
お昼休憩中に壇上でコミュニティやイベントなどの宣伝をできる機会があったのですが、ミツカワ(@mitsuriver)さんに背中を押していただいて奈良アジャイルを宣伝させていただきました。今回も様々な方と繋いでくださったりとミツカワさんにはスクラムフェス大阪2025からずっとお世話になっており、とても感謝しています。いつもありがとうございます!
冒頭で引用した通りRSGTは場を提供してくれています。私にとっては居心地がよく、それでいて刺激も受け、また帰ってきたいと思う、そんな場でした。素敵な機会をありがとうございました!