こんにちは!システム開発部のデザイナー、moco(@moco_megane)です。
この記事はSEN Advent Calendar 2025 の17日目です🎄
先日、社内で丸 怜里さん著「モデルベースUIデザイン」の読書会を企画しました。
すでに読んだ人ならきっと共感してくれると思うのですが、この本、最初の1章からしてとても刺激的ですよね。
読みながら「これは一人で読むだけで終わらせたくない…!」という気持ちがふつふつと湧いてきました。
プロダクトデザイナーのメンバーにおすすめしつつ、せっかくならデザイナーだけでなく、エンジニアはどう捉えるのか、どんな視点で読むのかも知りたい。
そんな思いで読書会の募集をかけたところ、なんと自分を含めて9名ものメンバーが集まってくれました。
形式としては、毎週各自で1章ずつ読み、30分で感想や疑問を共有するというシンプルなもの。
しかし、初回から私はさっそくファシリが下手くそすぎるという現実にぶつかることになります。
付箋を貼って読むだけで終わってしまった読書会
初回は「30分あればいけるよね」と軽い気持ちで始めました。
参加者には「気になったところを付箋で貼ってください」とお願いし、それを順番に読み上げていく形にしました。
……が、これが思ったように盛り上がらない。というか、手応えが感じられない。
本の内容を難しく感じた人が多かったようで、全体的に「どんな風に感想を言えばいいかわからない」という空気が漂っていました。
付箋を読み上げては、みんなが音声はミュートのまま「ほぉ〜」という表情で終わっている(ように見える)。
話が深まらず、ただ情報を読み上げるだけの会になった感覚がありました。
これでは、せっかく時間を合わせて同期的に参加している価値が少なくなってしまいます。
自分自身は、みんなの感想が聞けて嬉しくはあったものの、
「もしかして私だけが楽しいのでは…?」
という不安がじわじわ広がります。
しかも、今思えば一番発言していたのはファシリであるはずの私でした。
「沈黙が怖い」「自分がリードしなければ」という焦りから、つい自分がしゃべりすぎてしまう。
ファシリとして最低限のことすらできていない自覚があり、内心「なんとかしたいけどどうしたら……」と焦りました。
そんなとき、読書会の参加者のひとりであり、別チームのスクラムマスターであるおはぎさんから、とあるDMが届きました。
スクラムマスターおはぎさんに弟子入り
読書会の後、おはぎさんから届いたDMにはこう書かれていました。

……優しい!!ありがたい!!具体的なアドバイス助かる!!!!
このメッセージを読んだ瞬間、私は半泣きになりながら正直に返信しました。

私は以前から「リーダーシップがある人は、同じくらいフォロワーシップも持っている」と考えていました。
おはぎさんはまさにそれを体現しており、チームのために常に視座を高く保っている人です。
だからこそ、こうして声をかけてくれたのだと思うと、本当にありがたい気持ちでした。
その後、いくつかの改善をして会をブラッシュアップしていくこととなります。
■ 改善1:時間を30分→60分へ延長
まず実施した改善は時間の延長。 30分では付箋を読むだけで終わってしまうため、60分に伸ばしました。
元々は「参加者の時間を合わせやすいように」と考えて短いスロットで予定を入れていましたが、目的が達成できなければ意味がありません。
これだけで「時間が足りない!」というストレスは一気に解消。 深掘りや参加者への問いかけを自然と挟めるようになりました。
ただし、時間が増えると増えたで課題が発生します。 沈黙が生まれると、その空白に耐えられず、また私が喋りすぎてしまうのです……
結局進歩したのか後退したのか、よくわからない状態に。
おはぎさんの1300字公開レビュー
客観的にフィードバックが欲しいと感じた私は、会の参加者向けのチャンネルでフィードバックを求めました。

すると、なんと1300字もの公開レビューをもらえることに!!

GoodとGrowthをとても丁寧に書いてくださっていて、耳の痛い指摘もあります。
「後出しでフィードバックを求めちゃったのに、こんなに真摯に向き合ってくれてありがたいなぁ…」と感じました。
私は常にコーチャブルでありたいと思っています。このフィードバックを自分なりに消化し、今後の会で取り入れることにしました。
そして私は逆におはぎさんへ「次の回でぜひファシリやってもらえませんか!?私が見たいので!!」と半ば無茶振りし、実際にやってもらいました。 これが大きな学びになりました。
おはぎさんのフィードバックや自分の試行錯誤を踏まえ、実際に試した工夫をまとめるとこんな感じです。
■ 改善2:冒頭で「今日の状態」を確認する
「忙しくて一部しか読めていない」「読んだは読んだけどあまり自信がない…」など、参加者はそれぞれ異なった状態で参加しています。
最初にそれを共有してもらうだけで、議論のハードルが一気に下がりました。
これにより、目次だけ読んだ人でも「気になった項目」を自分なりの温度感で話してもらえるようにしました。

■ 改善3:疑問から先に扱ってみる
「ここがわからなかった」という声は、他の参加者も乗っかりやすいことがわかりました。
まず疑問を中心に扱うことで、会話が自然と転がっていきました。
ただ、参加者の誰かが必ず答えを持っているわけではありません。
わからないままで終わってしまうとそれはそれでモヤモヤするので、そういう時のためにファシリは多少用意はしておくべきかなと感じます。
■ 改善4:特定の人に発言が偏らないよう、表情をよく見て全員に声をかける
遠慮していた私は「あてたら迷惑かも」と勝手に思い込んでいました。
でも実際は、軽くふるとみんな普通に話してくれることが多かったです。
「黙っている=何も言いたいことがない」ではないと痛感しました。
■ 改善5:なぜ?どうして?を詰問にならないよう投げかける
深掘りって難しいですよね。
なぜなぜ分析のごとく問い詰めると、特に難しい本を扱っている場合には責め立てられるような印象を受けかねません。
「どういう部分からそう思ったんですか?」「特にどのあたりが気になりましたか?」など、人ではなく事象にフォーカスするような問いかけをすることで、人を責めるようなニュアンスを減らすようにしました。
■ 改善6:Aさんの発言を受けて、Bさんに話を振る
「Aさんとファシリテーター」「Bさんとファシリテーター」の関係性だけだと、結局他の参加者は聞き役になってしまいます。
そうならないよう、Aさんの発言を受けて「同じエンジニアのBさんは今の意見についてどう思いますか?」「Cさんも実務の中でAさんのようなことってありますか?」など、自分はパスを回す役割になれるよう動きました。
ただふるだけだと受け身を取りづらいこともあるので、なぜその人にふるのかの文脈を添えるのを意識しました。
■ 改善7:沈黙の捉え方を変える
沈黙は「考えている時間」でもあると学びました。
意図的に沈黙を作ることで、参加者が考え、自分なりにしっくりくる言葉を発することができるよう意識しました。
タイムキープしながらも、会話をカツカツに詰め込まずゆったりした場になっていった感覚があります。
自分の苦手を知り、人の立場を理解するきっかけになった
ファシリテーションは、単に議論を回すスキルではありません。
今回の読書会の目的は「人と感想を交換したり、疑問を解消したりすることで、学びを深める」ことでした。
そのためにファシリテーターがやるべきことは、参加者の状態を把握し、どんな状態の発言でも歓迎し、そこから得られる学びを最大化する行為だと実感しました。
これまで私は「発言しない人の気持ち」を想像することができていませんでした。みんな自分なりの感想を持っているのに、私がそれを奪っていただけだったのだと思います。
今回の読書会とおはぎさんのサポートを通じて、ようやくそのことに気づきました。
俺たちの旅はまだ始まったばかりだ
ファシリが得意とはまだまだ言えません。
毎回何かしらやらかしてはいますし、沈黙が訪れると今でも焦ります。
でも、そういう自分を頭上から「さて、ここからどうする?」と見下ろすもう一体の自分も置いておけるようになりました。
会話をリードすることに気負い過ぎていた私でしたが、ファシリテーションはひとりで完璧を目指すものではなく、参加者と一緒につくる場のデザインそのものなのだと気づきました。
私も誰かにとってのおはぎさん=人の様子に目を配り、手を差し伸べられる人になれるよう、修行を続けていきます。
俺たちの旅はまだ始まったばかりだ……!!
さて、SEN Advent Calendar 2025 18日目となる明日はyonesukeさん!楽しみにしていてくださいねー!!
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